
タレントマネジメントシステムの導入で離職率が激減!?人事部に知ってほしいメリット、選び方のコツを解説
この記事のポイント
- 人事課題の解決には「タレントマネジメント」が効果的
- データ活用を実現する「タレントマネジメントシステム」の導入を
- ctcは導入の検討段階から運用定着まで一貫してサポート
採用から育成、入社後フォロー、評価や異動に至るまで、人事担当の業務領域は多岐にわたります。そのため、ctcではお客さまより下記のご相談をいただくことが多くあります。
「採用したものの育成が上手くいかず、戦力となる人材が育たない」
「育ったと思ったら社員が早期退職していき、常に現場が人手不足」
人事部は各事業部門から「忙しい」「人手が足りない」といった相談を受けながらも、限られた人員と時間の中で何とか業務をやりくりしているのが実情でしょう。さらに効率化しようにもExcelや紙で人事情報を管理しているため、「自社が世間に乗り遅れている…」と諦めてしまっているケースもあるかもしれません。
今回、そんな状況を打破するためにお伝えしたいのが「タレントマネジメントシステムの導入」です。タレントマネジメントとは、社員一人ひとりの能力やスキルを戦略的に管理・活用し、適材適所の配置や効果的な育成を実現する手法。システム導入により、人材データの可視化から分析、実践までをスムーズに進めることができます。
「うちには無理かな…」と不安を覚えられる方も安心できるように、本記事では人事部主導で進めるシステム導入の課題とそのコツを丁寧にレクチャーさせていただきます。タレントマネジメントシステムはすでに多くの会社で導入が進んでいることもありますので、この機会に検討されてはいかがでしょうか?
人事部の組織管理を強化するタレントマネジメントとは?導入のメリットを解説

人事部が直面する課題を解決する手段として、近年注目を集めているのが「タレントマネジメント」という考え方です。タレントマネジメントとは、社員一人ひとりのスキルや能力を一元的に管理し、適材適所の配置と効果的な育成を実現するマネジメント手法。Excelや紙での管理から脱却し、人材情報をデータとして活用することで、人事業務の効率化と高度化を図ることができます。
このタレントマネジメントを効果的に実践するには、専用システムの導入が欠かせません。タレントマネジメントシステムを活用することで、人材データの可視化、評価業務の効率化、適切な人材配置の実現など、人事部門が抱える多くの課題解決につなげることができるしょう。
この章では、タレントマネジメントの基本概念から具体的なメリットまでを解説し、人事業務のアップデートに必要な知識をご紹介。システム導入はすぐに成果が出るものではありませんが、正しい理解と段階的なアプローチで着実に効果を上げていくことが可能です。
タレントマネジメントとは?
タレントマネジメントとは、社員一人ひとりが持つスキルや能力、経験、志向性などの情報を戦略的に管理・活用し、経営目標達成に向けた人材の採用、育成、配置、定着を最適化する人事マネジメント手法。元々は1990年代の米国で生まれた概念で、日本では2010年代から導入が進み、現在は多くの企業で人事業務の効率化・高度化の手段として注目を集めています。
タレントマネジメントの「タレント」は特別な才能を持つ人材だけではなく、全社員の持つ能力や可能性を指しており、規模や業種を問わず多くの企業で活用できる手法といえるでしょう。最大の目的は「経営目標の達成」。その実現に向けて「人材の調達」「人材の育成」「適材適所の配置」「人材の定着」という具体的な施策を効果的に進めていくことが求められます。
導入企業では「人材の可視化による適材適所の実現」「離職率の低下」「採用精度の向上」など、さまざまなメリットが報告されており、人事部門の課題解決に大きな効果を発揮。タレントマネジメントの実践においては、理論の理解と並行して、具体的なメリットを把握し、自社の課題解決にどう活かせるかを検討することが何よりも重要です。
人事部なら知っておきたいタレントマネジメントのメリット
細かな理論は多くありますが、第一歩としてはご自身に「タレントマネジメントのメリット」をインプットして、「めざすべき自社の姿」を明確にしておくことを念頭におきましょう。
個人とチームの能力向上
タレントマネジメントによって個々の「スキル」「資格」「モチベーション」を可視化させます。そうすることで「数年で何を身につけるべきなのか」「能力を得るためには何をすべきなのか」を明確にできるでしょう。
並行して、互いの強みを伸ばし、弱みを補う“石垣をつくるようなチームづくり”が可能に。個人およびチームの育成ノウハウを積み重ねることにより、人材育成の活性化にもつながります。
採用基準の確立と人材流動性の確保
「個人とチームの能力向上」により自社にとって必要な人材と、そうでない人材が明確になります。採用基準を立案し、自社に適した人材の確保と整理を繰り返し実行していくこと。堅牢な組織づくりには、「人材流動性の確保」も重要な要素の一つです。
社員のエンゲージメント向上
社員一人ひとりの個性に合わせた“適材適所”を実現できれば、おのずと会社への満足度は高まります。ここまで達成すれば「離職率の低下」「定着率の向上」にもつながることでしょう。
人事業務のアップデートにタレントマネジメントシステムは欠かせない
タレントマネジメントの実践には、社員のスキルやモチベーションといった"タレント情報"を一元管理して可視化する「タレントマネジメントシステム」が欠かせません。紙やExcelでの管理では限界があり、データの更新や分析に多大な工数が発生してしまうのです。
タレントマネジメントシステムはすでに多くの企業で導入が進んでいますが、それ故に無数のサービスが市場に存在。自社に最適なシステムを選ぶには、「課題解決に必要な機能があるか」「使いやすさ」「サポート体制」など、複数の視点からの検討が求められるでしょう。しかし、システム導入にはさまざまな課題も潜んでいます。次項ではそれらの課題と効果的な解決策について詳しく見ていきましょう。
タレントマネジメントシステムの導入時における課題とは?導入前に知っておくべきポイント

タレントマネジメントシステムの導入は、人材情報の一元管理や戦略的な人材活用を実現する強力なツールです。しかし、実際の導入プロセスではさまざまな課題に直面することが少なくありません。
導入企業を対象とした分析によると、「業務フローへの組み込み・定着化」「人事評価の運用のしづらさ」「データ不足による分析の困難さ」が上位の課題として挙げられています。これらの問題は、導入前の準備段階、データの収集・管理段階、組織内での運用段階という3つの観点からアプローチする必要があるでしょう。
タレントマネジメントシステム導入の成功には、単なるツールの導入だけでは不十分。自社の人事戦略との連携や組織全体の理解・協力が不可欠となります。この章では、タレントマネジメントシステム導入時に多くの企業が直面する主な課題と、それらを解決するためのポイントを詳しく解説していきます。
導入前の準備不足に関する課題
多くの企業がタレントマネジメントシステムの導入に踏み切る際、自社の人事戦略や課題が不明確なまま進めてしまうケースが少なくありません。「どのような人材育成や配置を実現したいのか」「どんな課題を解決したいのか」といった目的が曖昧なままでは、システム導入後に期待した効果が得られない状況に陥りやすいのです。
また、経営層・人事部・現場の三者間で、タレントマネジメントシステム導入の目的やゴールに関する認識のずれが生じていることも多く、導入後の運用に支障をきたす原因となります。予算やネームバリューだけでシステムを選定し、自社の課題解決に必要な機能が備わっているか、使いやすさはどうかといった検討が不十分なケースも見受けられるのが現状です。
さらに、タレントマネジメントは手段であって目的ではないという認識が欠けていると、システム導入自体が目的化してしまい、本来の課題解決から遠ざかってしまうことも。導入前の準備として、まずは人事戦略を明確化し、タレントマネジメントシステムで実現したいことを具体的に定義した上で、それに合ったシステム選びを行うことが重要なのです。
データに関する課題
タレントマネジメントシステムを導入しても、そもそも入力すべき人材データが社内に存在しないという根本的な問題に直面するケースが多くあります。過去の評価履歴、異動履歴、スキル情報など、基本となる人材データを体系的に管理していなかった企業では、システム導入後もデータ不足により十分な分析や活用ができない状況に陥るでしょう。
従業員データの可視化や一元管理を実現しようとしても、部門ごとに管理方法が異なっていたり、紙やエクセルでバラバラに保管されていたりすると、収集・統合に膨大な工数がかかってしまいます。多くの企業が「データ管理」と「データ活用」の違いを正しく理解できていないことも課題。単にデータをシステムに入力するだけの「データ管理」段階から、経営課題解決のために分析・活用する「データ活用」段階へ進めていないのが実情なのです。
また、収集したデータの質や精度に問題があると、システムから出力される分析結果の信頼性も低下し、「正しい分析結果が出てこない」という事態を招きかねません。これらの課題を解決するには、まず基本的な人材データの収集・整備から着手し、段階的にデータの質と量を高めていく長期的な視点が必要となるでしょう。
組織・運用に関する課題
タレントマネジメントシステムの導入には、経営層の理解とコミットメントが不可欠ですが、その重要性が十分に認識されていないケースが多いのが実情。特に「戦略人事」や「データに基づく人材マネジメント」の概念が浸透していない企業では、経営層にシステム投資の必要性を納得させることが難しく、予算確保が課題となります。
多くの人事部門では日常業務に追われており、新たなシステム導入や運用に割ける人的リソースが不足。そのため、計画は立てたものの実行に移せないという状況に陥りやすいのです。導入したシステムを既存の業務フローに適切に組み込めず、むしろ工数が増えてしまうという本末転倒な結果になることも少なくありません。
人事評価や人材育成など、従来の人事プロセスとタレントマネジメントシステムの連携が不十分だと、二重管理が発生し、現場の負担が増大してしまうでしょう。さらに、システム導入後も継続的な運用体制が整っていないと、データの更新が疎かになり、次第にシステムが形骸化してしまうリスクも。こうした課題を事前に認識し、対策を講じることが成功への第一歩となるのです。
タレントマネジメントシステム導入を成功に導くコツと実践ステップ

タレントマネジメントシステムの導入は、前章で述べた課題をしっかり理解した上で計画的に進めることで、つまずきポイントを事前に回避できます。成功の鍵を握るのは最新機能が満載の高性能ツールを選ぶことではなく、「なぜ導入するのか」という目的を明確にし、着実に段階を踏んでいく「プロセス」の質なのです。
成功企業の共通点を見ると、経営層・人事部・現場の三者が一体となって取り組み、小さな成功体験を積み重ねながら全社展開していることがわかります。システム導入はすぐに成果が出るものではありませんから、短期・中期・長期の視点を持ち、腰を据えて取り組む姿勢が大切でしょう。
この章では、タレントマネジメントシステムを導入する際の具体的なステップと、各段階で押さえるべきポイントをご紹介します。
導入前の準備と体制づくり
タレントマネジメントシステム導入を成功させる鍵は、実際のシステム選定や導入作業に入る前の準備段階にあります。多くの企業で見られる失敗パターンは、人事部門だけで進めようとして社内の協力が得られず、データ収集や活用が進まないというケース。このような状況を避けるためにも、導入前の準備が欠かせません。
導入準備の第1のポイントは「経営層の理解と支援の獲得」です。人材データの戦略的活用が経営課題の解決にどう貢献するかを具体的に説明し、トップの後押しを得ることが重要となるでしょう。第2のポイントは「明確な目標設定」。「離職率の低減」「適材適所の実現」「人材育成の効率化」など、具体的かつ測定可能な形で目的を定義する必要があります。
第3のポイントは「推進体制の構築」です。人事部門だけではなく、各部門の代表者を含めたプロジェクトチームを編成し、全社的な取り組みとして位置づけることが成功への近道となるでしょう。第4のポイントは「収集データの範囲と方法の決定」。必要な情報を明確にした上で、どこから情報を収集し、誰がどのように更新するかの計画を立てておくことが重要です。
これらの準備段階での取り組みが、後の導入や運用をスムーズにするための土台となり、システム活用の効果を最大化する重要な役割を果たします。
タレントマネジメントシステム導入の推進体制チェックリスト
- 経営層の支援と理解を得ているか
- 具体的な導入目的と期待効果を明確にしているか
- 部門横断的なプロジェクトチームが編成されているか
- 必要なデータ項目と収集方法が決定しているか
- 情報セキュリティ面での対応が検討されているか
- 現場の負担を最小限にする運用方法が考慮されているか
- 段階的な導入計画が立案されているか
段階的な導入ステップ
タレントマネジメントシステムの導入は、一度に全機能を展開するのではなく、段階的なアプローチで進めることで成功率が高まります。多くの企業が陥りがちな失敗は、あまりに大規模な計画を立てすぎて途中で挫折してしまうこと、あるいは準備不足のまま全社展開して混乱を招くことです。
タレントマネジメントシステム導入の4段階
- 【第1段階】人材情報の一元化と可視化
- 【第2段階】データの分析と人材の把握
- 【第3段階】採用・育成・配置計画の立案と実行
- 【第4段階】効果測定と継続的改善
まずは「人材情報の一元化と可視化」から始め、散在している人材データを集約し、組織管理の基盤を整備することが第1段階となります。この段階では、基本属性、スキル、経歴、評価履歴などの情報を統一フォーマットで収集し、人材マネジメントシステム上で検索・閲覧できる状態をめざしましょう。
次のステップとして「データの分析と人材の把握」に移行し、組織内の人材分布やスキルギャップを可視化し、人事戦略立案の材料とします。データ分析により、「離職リスクの高い部署」「後継者が不足している職位」「育成が必要なスキル領域」などの課題が明確になり、優先的に取り組むべき施策が見えてくるでしょう。
第3段階では「採用・育成・配置計画の立案と実行」に進み、分析結果に基づいた具体的な人事施策を実行に移していきます。最後に「効果測定と継続的改善」のサイクルを確立し、施策の効果をモニタリングしながら、PDCAを回して組織力強化につなげていくのです。
タレントマネジメント導入の想定ステップ例
- 【Step1】まず経営層と一部門(例:若手社員100名程度)を対象に、スキルマップとキャリア志向の可視化からスタート
- 【Step2】3〜6ヶ月の試行期間を設け、運用上の課題を抽出・改善
- 【Step3】対象を全社に段階的に拡大し、人材情報の一元管理を実現
- 【Step4】部門を超えた最適配置の実現や、キャリア面談の質向上などの効果測定
- 【Step5】運用を定着させながら、離職率の改善や組織活性化などの成果を継続的に計測
運用を成功させるポイント
タレントマネジメントシステムを実際に導入した後も、継続的な運用と活用が課題となることが少なくありません。システムを導入しただけでは効果は生まれず、日常の人事業務の中で活かし続けることで初めて人材活用や離職防止といった成果につながるのです。
成功のための第1のポイントは、「既存の人事プロセスとの連携」。評価面談やキャリア開発など、現行の取り組みとシステムを有機的に結びつけることが重要です。人事評価の結果や1on1面談の内容がシステムに自動的に反映される仕組みを構築することで、データ入力の負担を減らしながら情報の蓄積を進められます。
第2のポイントは「定期的なデータ更新の仕組み化」です。人材情報は常に変化するため、情報の鮮度を保つための更新サイクルを確立する必要があります。特にスキルや資格などの情報は、定期的な棚卸しの機会を設けたり、社員自身が更新できる機能を活用したりして、データの正確性を担保することが大切です。
第3のポイントは「全社的な活用文化の醸成」。経営層による活用事例の発信や、各部門での成功体験の共有を通じて、システムの価値を組織全体に浸透させていきましょう。システムが「使わされている」ではなく、「使いたい」と思ってもらえる環境づくりが定着のカギとなります。
最後に「効果測定と改善」のサイクルを回し、システム活用による具体的な成果を可視化することで、継続的な投資や取り組みへの理解を得やすくなります。数値で示せる成果があれば、さらなる活用の推進力になるでしょう。
システム活用を定着させるための具体策
- 人事評価や面談などの既存プロセスとシステムを連動させる
- データ更新の担当者と頻度を明確に定める
- 部門ごとに活用推進担当者を置き、活用状況をモニタリングする
- 経営会議で定期的にシステムからのデータを活用する
- 成功事例を社内報やイントラネットで共有する
- システム活用のためのヘルプデスクや相談窓口を設置する
- 定期的なユーザーアンケートで改善点を収集する
タレントマネジメントシステム選びで失敗しないための比較ポイントと注意点

前章で説明した導入ステップを成功させるためには、自社に最適なタレントマネジメントシステムを選ぶことが重要となります。市場には多数のタレントマネジメントシステムが存在しており、それぞれに特長や強みがあるため、自社の課題やニーズに合った製品を選定することが成功への近道となるでしょう。
システム選びを誤ると、導入後に「必要な機能がない」「使いづらい」といった問題が生じ、せっかくの投資が無駄になってしまう可能性も高まります。本章では、タレントマネジメントシステムを選ぶ際のポイントと、導入後の成功を左右する重要な注意点について解説。また、多くの企業が陥りがちな失敗パターンとその対策についても触れ、スムーズなシステム導入と定着のためのヒントをお伝えしていきます。
タレントマネジメントシステム選定の5つのポイント
- 自社の課題解決に必要な機能が備わっているか
- 既存の人事システムとスムーズに連携できるか
- 使いやすさとデータの可視化レベルは十分か
- セキュリティ対策は万全か
- 導入後のサポート体制が充実しているか
自社の目的に合ったタレントマネジメントシステムタイプの選定
タレントマネジメントシステムは大きく「基本機能重視型」「統合管理型」「専門特化型」の3つのタイプに分類でき、自社の規模や目的に応じて最適なタイプを選ぶようにしましょう。
中小・中堅企業に適した「基本機能重視型」は、人材情報の可視化や配置最適化など基本機能を備え、必要な機能だけを選択できる柔軟性が特長。段階的な導入が可能なため、初めてタレントマネジメントシステムを導入する企業にもおすすめです。
大規模企業に向いている「統合管理型」は、人材育成やキャリア開発だけではなく、労務管理や採用管理まで幅広くカバーし、人事業務全般をオールインワンで管理できます。複数の人事システムを統合したい場合や、全社的な人材マネジメントを強化したい場合に適しているでしょう。
「専門特化型」は採用管理や学習管理など特定分野に強みを持ち、AIを活用した高度な人材分析やマッチングなど専門性の高い機能を提供しています。特定の人事課題に焦点を当てて解決したい場合に効果的です。
自社の人事戦略や課題に応じて、「単独で導入するか」「人事プラットフォームとして活用するか」「ほかシステムと連携させるか」といった視点も選定の重要なポイントとなるでしょう。
機能面・操作性・コストの比較ポイント
タレントマネジメントシステムを選ぶ際は、「機能面」「操作性」「コスト」の3つの観点からバランスよく比較検討することが大切です。
機能面では、人材データベースの柔軟性や検索性、自社の人事評価制度との整合性、データ分析機能の充実度などをチェックする必要があります。特に「人材情報の一元化・見える化」「人事業務の効率化」「評価運用の効率化」「人材配置・要員シミュレーション」「スキル管理・人材育成」といった基本機能が充実しているかを確認しておきましょう。
操作性については、直感的に使いこなせるUI/UXデザインかどうか、ドラッグ&ドロップなど簡単な操作で使えるか、管理者だけではなく一般社員も使いやすいかを検証します。いくら高機能でも、使いづらければ定着しないため、実際に操作してみることがカギとなります。
コスト面では、初期費用以外に月額費用も含めた総合的なコスト評価が必要。従業員数や必要機能に応じた最適なプランが選べるか、追加費用の発生条件なども確認しておくべきでしょう。無料トライアル期間が設けられているシステムであれば、実際に使用感を確かめてから導入を決定できるため、初めてのシステム導入には特に有効です。
ctcでは、お客さまの予算や規模に合わせた柔軟なプラン設計を行い、機能・操作性・コストのバランスが取れたシステム選びをサポートしています。
定着化のための導入支援とサポート体制
タレントマネジメントシステムの導入成功には、選定時の検討はもちろん、導入後の運用やサポート体制も不可欠な要素となります。
既存の人事システムとの連携が容易かどうかは、データ連携の手間や二重入力の発生を左右するため、API連携やCSV連携の対応状況を事前に確認しておくべきでしょう。二重入力の手間が増えると現場の負担が大きくなり、システムの定着を妨げる原因となります。
セキュリティ面では、個人情報や人事情報を扱うシステムとして、二段階認証やIPアドレス制限、アクセス権限の細かな設定など、堅牢なセキュリティ機能が備わっているかを精査。情報漏洩リスクを最小限に抑える対策が講じられているかが重要な判断基準です。
導入後のサポート体制も見逃せません。マニュアルやFAQの充実度、問い合わせ対応の迅速さ、専任コンサルタントの有無など、継続的な支援体制が整っているかを確認すべきでしょう。特にタレントマネジメントは人事戦略と密接に関わるため、システム操作だけではなく活用方法や人事制度設計についてもアドバイスが受けられるベンダーを選ぶことが理想的です。
ctcでは、システム導入の検討段階から運用定着まで一貫したサポートを提供。豊富な導入実績と専門知識を活かしたコンサルティングで、お客さまのタレントマネジメント成功を全面的にバックアップしています。次章では、ctcがおすすめするタレントマネジントシステム「タレントパレット」の特長と機能について詳しく解説します。
ctcおすすめのシステム「タレントパレット」。タレントマネジメントをオールインワンで実現!

ctcではタレントマネジメントの実践と合わせて導入するシステムとして、「タレントパレット」をおすすめしています。タレントパレットはctcも導入・活用しているサービスで、「あの人いいよね」という属人的な価値観や科学的根拠のない人事異動を脱却するために設計されたシステムとなっています。
ここでは「主な機能」「よくある質問」をご紹介し、タレントパレットの特長を解説させていただきます。
タレントパレットの主な機能
人事部の領域にコミットした、以下の機能を紹介。
人材データベース
社員の顔写真が付いたアイコンにより、顔と名前の照合が容易に。経歴や適性、評価などのあらゆる人材データをワンクリックで確認できます。また、人材データを時系列で蓄積することにより、入社、配属、その後の活躍を視覚化。役職やスキルなど、さまざまな条件で人材の検索ができます。
人材育成・スキル管理
社員のスキルデータを蓄積し、一人ひとりのスキル・能力を可視化して管理。年次や役職別のスキル分析はもちろん、社員の成長をモニタリングすることで急成長をしている社員や停滞している社員を発見できます。
人事評価
評価項目の設定から評価調整(甘辛調整)まで、人事業務に必要な評価フローをワンストップで実行できます。柔軟で自由度の高い評価設定と、被評価者にも使いやすいインターフェ-スです。
労務管理
入社手続きから年末調整まで労務手続きを効率化します。入社時手続き、勤務中手続き、年末調整のすべてがオンラインで完結し、人事情報を一元集約する機能です。
労務手続きで更新されたデータは、人材データベースにそのまま反映されるので便利です。
採用管理
採用業務に必要な情報を一元管理できます。社員データと比較することで、採用の質向上を実現。候補者との接触状況を分析し、「内定辞退」「採用ミスマッチ」の防止にも効果を示します。
タレントパレットは初めての人材マネジメントシステム導入にも最適
タレントパレットのHPで公開されている「よくある質問」をご紹介。「はじめてのタレントマネジメントシステム」の参考になる質問をピックアップしましたので、一読しておくことをおすすめします。
Q. 導入期間はどれくらいですか?
A. 人事データ自体をタレントパレットに取り込む作業自体は数日程度で十分です。
一方で数百人、数千名規模で、経営層や管理職、現場の社員など、広い範囲でご利用を想定される場合は、通常、評価・経験などのさまざまなデータを取り込みや権限設定などを行うケースが多く、その場合は、設定ならびに動作確認に1か月~2か月程度かかりますが、予め用意しているテンプレートなどを利用することで、ゼロからシステムを設計・構築するよりも短期間での導入が可能です。
Q. 導入時にシステム部門が関わる必要がありますか?
A. いいえ。クラウドシステムなので、事前のシステム設計は不要のため、実際には、ユーザ部門(検討部署)のみで検討・導入されることが多いです。
システム部門が関わるケースは、クラウド利用にあたってのセキュリティの確認、ならびに既存の人事システムとのデータ連係が想定されます。
Q. 取り込み用のデータのレイアウトに指定はありますか?
A. 特別なレイアウトは必要ありません。
ヘッダ行に社員番号や名前など属性名が記入されているCSV形式のファイルで取り込みが可能です。
Q. 既存の人事システムから自動でデータを取り込むようなデータ連係は可能ですか?
A. はい、可能です。さまざまな主要な人事システムはもちろん、あらゆる人事系のシステムとの連携実績がございますので、別途ご相談ください。
まずは特定の部署を対象にタレントマネジメントをスタート!離職防止と組織管理の改善を実現

ここまで解説してきたように、タレントマネジメントシステムの導入は人事業務のアップデートに欠かせない重要なステップです。しかし、いきなり全社展開するのではなく、段階的なアプローチが成功への近道となります。
タレントマネジメントシステムを効果的に活用するには、今回説明した導入ステップを着実に進めながら、実際の運用を通じて改善を重ねていくことが重要。理論だけではなく、実践を通じて自社に最適な活用方法を見つけていくプロセスが欠かせません。
多くの成功企業では、まず特定の部署や一部の層(経営層や若手社員など)を対象に小規模からスタートし、成功体験を積み重ねながら全社展開していくアプローチを採用しています。このやり方なら、初期投資を抑えながら運用上の課題を早期に発見・解決でき、社内の理解と協力を得ながら段階的に拡大していくことが可能になるのです。
タレントパレットはユーザー部門のみで導入検討が可能なクラウドシステムであり、システム部門の関与を最小限に抑えられるため、迅速な導入と効果測定を実現できます。特に「今すぐ始めたい」「手軽に試してみたい」という人事部門にとって、大きなメリットとなるでしょう。
ctcでは、お客さまの組織規模や課題に応じた最適な導入プランをご提案し、検討段階から運用定着まで一貫したサポートを提供しています。「人材データの可視化」「評価業務の効率化」「適材適所の人材配置」「エンゲージメント向上」「離職防止」など、人事部門が抱えるさまざまな課題解決に向けて、タレントマネジメントシステムの導入をご検討の企業は、ぜひctcまでお気軽にご相談ください。
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