
低軌道(LEO)衛星ブロードバンドとは?LEO通信の主要サービス徹底比較&「Starlink Business」のメリット紹介
この記事のポイント
- 世界規模で、LEO衛星市場はいよいよ本格成長期へと向かっている
- 従来のGEO衛星と比べ、LEO衛星は「大容量・低遅延」が最大の強み
- 「Starlink Business」なら、BCP対策から山間部・離島の通信確保まで可能に
2026年4月、ソフトバンクとNTTドコモが相次いで「Starlink Direct」によるスマートフォンの衛星直接通信サービスを開始しました。
auに続き主要3キャリアがそろってサービスを展開したことで、衛星通信はいよいよ私たちの身近なインフラとして定着しつつあります。同じころ、Amazonも「Amazon Leo」として衛星通信事業に本格参入を果たし、世界規模でLEO市場の拡大が加速しています。
こうした民間の動きと並行して、国の取り組みも本格化しています。総務省は令和7年度補正予算において「低軌道衛星インフラ整備事業」に1,500億円を計上。国を挙げてLEO通信インフラの整備が推し進められています。
LEO衛星とは、地表から高度約2,000km以下を周回する人工衛星のことです。従来の静止軌道(GEO)衛星と比べて遅延が少なく、高速・安定したブロードバンド接続を実現できる点が最大の特長です。この特性が、BCP対策や山間部・離島での通信確保、災害時のバックアップ回線などを必要とする法人からの注目を集めています。
本記事では、LEO通信の仕組みや主要サービスを整理しながら、ctcが提供する「Starlink Business」についても解説していきます。
LEO衛星ブロードバンドとは?GEO衛星との違いをわかりやすく解説

LEO(Low Earth Orbit)とは、地表から高度約2,000km以下を周回する「低軌道」のことを指します。LEO衛星通信では、この軌道上に打ち上げた多数の小型衛星を連携させた「衛星コンステレーション」と呼ばれるシステムを構築することで、広域にわたるブロードバンド通信を実現しています。
では、従来から存在するGEO(静止軌道)衛星とは何が異なるのでしょうか。以下の比較表で整理します。
LEO衛星とGEO衛星との違い
GEO(静止軌道)衛星
- 高度:35,786km前後
- 重量:一般的な大型通信衛星であれば約3t~6t程度、サイズは大型(バス~大型トラック程度)
- 遅延:約500〜600msと遅延が大きく、活用できるアプリケーションが限定的
- コスト:広範囲をカバーする大型で高性能な衛星が必要で、開発期間も長く打ち上げコストを含めた初期投資は非常に高額
- 端末:大型パラボラアンテナが必要
- 主な用途:テレビ放送(BS/CS放送など)、気象観測(ひまわり等)、広域通信(従来型の衛星通信)など
LEO(低軌道)衛星
- 高度:約160〜2,000km
- 重量:一般的な中型LEO衛星であれば約200kg~1.5t程度、サイズは小型(洗濯機~軽自動車程度)
- 遅延:約10〜40msと低遅延で、固定・無線インターネットの代替として広く対応可能
- コスト:ロケットの再利用や大量打ち上げにより1機あたりの打ち上げコストは削減できるが、衛星の寿命が短く維持・運用コストはかかる
- 端末:小型フラットパネルアンテナで設置が容易
- 主な用途:衛星インターネット、 IoT・遠隔監視、地球観測(気候・災害分析)など
このようにLEO衛星は、GEO衛星と比べて小型・軽量で打ち上げコストを抑えられる点に加え、地球に近い軌道を周回するため通信の遅延が格段に小さいという特性を持っています。数千機規模の衛星を連携させることで、従来の衛星通信と比べて大幅に高速かつ低遅延なデータ通信を実現できる点が、LEO衛星通信の最大の優位性といえます。
「Starlink Business」「OneWeb」「Amazon Leo」3大LEO衛星通信サービスを比較!

現在、グローバルで展開されている主なLEO衛星通信サービスは以下の3つです。それぞれの特長を簡潔に紹介します。
Starlink Business
- 運営:SpaceX(アメリカ)
- 衛星数:約9,500基(2026年3月時点)
- 軌道高度:550km
いち早く商用サービスを開始したことで実績・信頼性ともに業界トップの地位を確立しています。法人向けには「Starlink Business」を展開しており、日本では2022年にKDDIが法人向けサービス提供を開始。2023年以降にはNTTとソフトバンクにも広がっています。
OneWeb
- 運営:Eutelsat Group(フランス)
- 衛星数:約600基(2026年3月時点)
- 軌道高度:1,200km
法人・政府・インフラ向けに特化しており、衛星通信でありながら閉域接続が可能なため、機密性の高い情報の伝達にも対応できる点が特長です。日本ではソフトバンク経由で法人向けサービスが提供されています。
Amazon Leo
- 運営:Amazon(アメリカ)
- 衛星数:約200基(2026年3月時点)
- 軌道高度:590~630km
AWSとの連携によるエンタープライズ向けソリューションが強みです。日本での展開については2026年度以降のサービス開始と言われていますが、具体的な提供時期や料金プランは現時点では未定です。
法人向けStarlink Businessとは?特長とユースケースを紹介

「Starlink Business」は、大容量・低遅延のブロードバンドを提供する法人向け衛星インターネットサービスです。次世代の衛星通信サービスであるStarlinkをそのままインターネットアクセス回線として利用できるため、従来の静止衛星と比べて衛星と地球の距離を約65分の1まで近づけることによる、大容量かつ低遅延なインターネット通信が特長です。
また、高周波数帯のKuバンドを採用しているため地上波と周波数帯が異なり、回線が混みにくいという利点もあります。世界のほぼ全域をカバーしていることから、地球上のどこからでも通信が可能で、場所を選ばず通信環境を整備できます。
Starlink Businessが活躍する主なユースケース

大容量・低遅延という特性を活かすことで、これまでインターネットが利用できなかった不感地帯でも安定した通信が可能になります。また、企業や自治体におけるBCP対策や、自然災害時のバックアップ回線としても活用の幅が広がっています。
ここでは、主なユースケースをご紹介します。
ユースケース①│災害時のBCP(事業継続計画)対策
地震や水害などの災害時、地上の光回線や基地局が被災しても、上空の衛星経由で通信を維持できます。地上設備に依存しない独立した通信手段として、企業・自治体の事業活動や顧客対応、公共サービスの継続を支えるほか、被災地の現場と本部をリアルタイムでつなぐことで、被災地や避難所の通信確保と迅速な情報共有に貢献。家族間での安否確認や連絡手段としても活用できます。
ユースケース②│有線回線が引きにくい場所での通信確保
山間部・離島・沿岸・海上など、通信網が整備されていない不感地帯でも高速・低遅延の通信が可能です。屋外で空が見える状況であれば接続できるため、これまで圏外になりやすかった山奥や沖合、船上でもストレスフリーに、リアルタイムなコミュニケーションや緊急時の連絡手段として活用できます。
ユースケース③│建設・土木・製造などの工事現場での通信確保
電波が届きにくい工事現場や建設現場など、有線回線の仮設が難しい拠点でもスムーズな通信を確保できます。遠隔での指示出しや図面・設計データの共有が可能になるほか、現場スタッフの安否確認やトラブル発生時のリアルタイム連絡手段としても活躍します。
ユースケース④│イベント・移動拠点での臨時回線
屋外イベント会場や仮設拠点では、多くの来場者によるSNS利用やキャッシュレス決済によって通信トラフィックが急増しやすくなります。Starlink Businessは広大な敷地でも安定した通信を確保し、イベント時の通信混雑を回避。リアルタイムでのスポーツ中継においても、安定した通信環境を維持できます。
ctcのStarlink Businessなら導入支援から運用サポートまで手厚くフォロー

ctcでは、現場調査から設置工事・施工まで導入をトータルサポートしています。具体的には、現場調査に約2週間、工事・施工の完了までに約2か月を要します。運用開始後もサポート窓口が24時間365日対応し、トータルサポートを実現しています。
「KDDIサポートパック」の特長
- 24時間365日、電話・メールでのサポート受付(各種問い合わせ対応・操作説明・不具合申告など)
- KDDI運用部隊によるネットワーク保守
災害時も止まらない通信インフラを確保│Starlink Business

数千基の低軌道衛星による大容量・低遅延の衛星ブロードバンドインターネット。災害時のBCP対策としても最適です。導入支援から運用後のサポートまで、ctcがトータルでお手伝いします。
LEO衛星で通信インフラを見直すチャンス。Starlink Businessなら導入支援から保守までctcがサポート【導入事例を紹介】

Amazon Leoの参入や3大キャリアによるスマートフォンの衛星ダイレクト通信の一般化、そして国による大型予算の投入と、LEO衛星市場は急速な拡大局面を迎えています。地上回線では対応しきれない通信課題を抱える企業にとって、Starlink Businessはいま最も有力な選択肢のひとつといえるでしょう。BCP対策や山間部・離島での通信確保、移動拠点への回線整備など、さまざまな場面での活用が期待できます。
ctcはKDDIグループ会社として初期よりStarlink Businessを展開し、導入実績を積み重ねてきました。災害時のインターネット回線確保や、自治体をはじめとする関係機関との情報共有手段として採用されるケースが多く、従来の衛星通信サービスと比べて大幅に高速かつ低遅延である点が高く評価されています。設置が容易で利用制限も少ないことから利便性も高く、非常時における安定した通信環境・連絡手段としての有効性が広く認められています。
もちろんctcでは、現地調査から工事・施工、導入後の24時間365日サポートまでワンストップで対応。まずは「自社の環境に合ったプランはどれか」「BCP対策として検討したい」などのご相談からでも、ぜひctcへご連絡くださいね。
【導入事例】災害時でも孤立しない通信ネットワーク環境を提供│Starlink Business

高度な精神医療を提供する精神科救急医療機関である「総合心療センターひなが」さまにおけるBCP対策として、Starlink Businessを導入いただきました。