
「回線の冗長化」で業務停止リスクを回避!バックアップ回線を備えて通信トラブルや障害に備えた対策を
この記事のポイント
- 通信障害やトラブル時でも業務を継続するために、インターネット回線の「冗長化」は重要
- 複数の通信事業者の回線を用いた「キャリア・ダイバーシティ」で強固な冗長化を実現
- ctcが提供するビジネスコミュファでバックアップ回線の導入を
さまざまな業務がシステム化され、DX化が進む昨今、インターネットへの常時接続が欠かせないビジネス環境が広がっています。多くの企業では、インターネット回線が停止すると業務が完全にストップしてしまう状況におかれているのではないでしょうか。
機器・ケーブルなど通信設備の故障や不具合はもちろん、回線の障害・トラブルなどによるインターネットの長時間停止は、業務そのものの停止に直結します。わずかな通信障害でも、企業活動に大きな影響を及ぼす可能性があるでしょう。その対策として有効なのが「回線の冗長化」。これは、メイン回線のほかに「バックアップ回線(サブ回線)」として複数の装置・通信回線を備えておくことを指します。メイン回線が停止した際にバックアップ回線に切り替えることで、インターネット接続の停止、ひいては業務の停止を回避したり短縮したりすることができます。
なお、企業システムの完全な冗長化を実現するためには、回線だけでなく、サーバーやシステムなども含めて総合的にバックアップする必要があります。本記事では特に「回線の冗長化」に焦点を当て、そのメリットや種類、構成パターンなどを徹底解説します。
独自の光ファイバー網を有するctcなら、他社回線の影響を受けないため、信頼性の高い回線冗長化を実現できます。この記事を読み、回線の冗長化についてさらに詳しく知りたい、自社に合った構成を相談したいと感じられた方は、ぜひ一度ctcへお問い合わせを。お客さまのニーズに合わせた最適なサービスをご提案させていただきます。
企業における回線冗長化のメリット

先述の通り、インターネット回線の停止は、企業活動に大きな影響を及ぼします。少し前であれば、インターネットが繋がらなくなったとしても「メールが送れない」「ホームページが見られない」といった限定的な影響にとどまっていましたが、多くのシステムやデータがクラウド上にある昨今では、インターネット回線の停止による業務影響は許容できないほど大きくなっています。
そこで重要となるのが、回線の冗長化です。ここでは冗長化のメリットについて改めて解説していきます。
回線冗長化のメリット
ダウンタイムの削減
障害発生時でもバックアップ回線に切り替えることで、システムの稼働率を高めることができます。通信事業者側の設備障害や、自然災害による回線断が発生した場合でも、バックアップ回線に切り替えることで通信を維持します。
業務継続性の確保
メインの回線に問題や障害が発生しても、バックアップ回線に移行して業務を続けながら復旧を行えます。これにより、システム管理者は焦ることなく原因究明や復旧作業に専念でき、二次障害のリスクも軽減できます。これはBCP(事業継続計画)対策としても有効です。
損失の最小化
業務停止による経済的損失、顧客離れ、ブランドイメージの低下などのリスクを軽減できます。特にオンラインサービスが主力の企業では、数分の通信障害でも大きな機会損失につながる可能性があり、冗長化による安定稼働は重要な競争力となります。
信頼性の向上
サービスの安定提供による顧客満足度の向上や、企業の信頼性向上につながります。24時間365日のサービス提供が当たり前となった現代では、システムの安定性そのものが企業価値を左右する重要な要素となっています。
回線冗長化をするには?主な方法や構成例を紹介

回線冗長化の主な方法のうち、今回は以下の2種類を紹介します。
一つは「キャリア・ダイバーシティ」または「マルチホーミング」といい、複数の通信事業者(キャリア)とそれぞれに回線を契約し、異なる接続経路を増やしておくこと。ONUやルーターも完全な二重化を図ることで、片方に障害が起きた場合も確実にバックアップに切り替えられます。
もう一つは「NICチーミング」といい、同一の通信事業者で2本の回線を契約し、接続経路を二重化する方法。NICチーミングの中でも、メイン回線とバックアップ回線を分けておく「フォールトトレランス」と、複数のネットワークケーブル(物理リンク)を束ねて、1本の太い回線(論理リンク)として扱うことで、通信強度を2倍に高める「リンクアグリゲーション」とがあります。または拠点を2か所に分散させ、別々にアクセスポイントへ接続することで地理的な冗長化を図る方法もあります。
複数の通信事業者サービスを利用した「キャリア・ダイバーシティ」で耐障害性を実現
特に、回線冗長化に際してポイントとなるのが「キャリア・ダイバーシティ」です。最大のメリットは、メイン回線として使っている通信事業者の設備などで障害が起きた際も、ネットワークの停止状態を最小限に抑え、利用を継続できるという点。
例えばネットワーク冗長化のために回線を二重化していたとしても、それが同じ通信事業者の回線であれば、根幹の設備に不具合が生じた場合、いずれも利用できなくなる可能性があります。異なる通信事業者の回線を組み合わせて冗長化する「キャリア・ダイバーシティ」なら、同時に停止するというリスクを抑えることができるのです。
「キャリア・ダイバーシティ」を検討する際、有効な選択肢としてご提案したいのが、地球5周分にわたる独自の光ファイバーネットワークを有するctcのサービスです。独自の光ファイバーネットワークを用い、自社設備によるネットワークサービスを提供しているため、別で契約されている通信事業者の回線で設備要因の障害が起きた際にも、影響を受けることはありません。
ctc回線と他社の回線を併用することで、非常に高い耐障害性ネットワークを実現し、強靭なICT基盤を構築することが可能となります。
回線冗長化の代表的な構成例
さらに、回線の冗長化には、主に2つの構成パターンがあります。
一つ目は「アクティブ・スタンバイ型」です。この構成では、メイン回線を稼働系(アクティブ)、バックアップ回線を待機系(スタンバイ)として運用します。メイン回線に障害が発生した場合、待機している回線に切り替えて通信を継続します。
二つ目は「アクティブ・アクティブ型」です。複数の回線を同時に稼働させる構成で、平常時は通信の負荷分散を行いながら使用し、どちらかの回線に障害が発生した場合は、もう一方の回線で通信を継続します。
バックアップ回線には「ビジネスコミュファ」。月額数千円で回線の冗長化を実現

安価にインターネットの冗長化をするなら「ビジネスコミュファ」がおすすめです。月額数千円で耐障害性の高いインターネット環境が実現できます。
「ビジネスコミュファ」とは、独自回線、独自設備による安定、かつ高速のコミュファをベースに、ビジネス向けの仕様をプラスしたプロバイダ一体型のインターネット接続サービスです。最大10Gbpsの高速インターネット回線のプランや、最大16chまでの光電話オプション、PBX機能をクラウド上で実現するクラウドPBXオプションなど、コストを抑えて快適なインターネット接続環境を実現できます。もちろんバックアップ回線としてだけでなく、メイン回線としてもおすすめです。
ctcでは「ビジネスコミュファ」だけでなく、共有数を限定して安定性を高めたサービスや複数の固定IPを付与するサービスなど、お客さまの環境に合わせたさまざまなインターネット接続サービスをご用意しています。
▼ビジネスコミュファプロ / ライト
複数拠点をもつ企業には広域イーサネットの冗長化「EtherLINK ad」も

複数拠点を持つ企業が冗長化を考える上で、必要なのがWANの冗長化です。通信事業者2社の広域イーサネットを用意し、冗長化プロトコルやダイナミックルーティングを用いることでWANの冗長化が可能です。ctcの「EtherLINK ad」なら拠点の規模に応じてアクセス回線を選べるため、コストを抑えて冗長化が実現できます。
「EtherLINK ad」とは、ctcが保有する通信設備を活用し、多種多様なアクセス回線の選択が可能な統合型の広域イーサネットサービスです。主な特徴として、ctcのマネージドクラウドサービスやデータセンターのハウジングサービスだけでなく、他社データセンターやメガクラウドとの連携が可能。万が一の障害に備えてバックボーンを完全二重化し、障害が発生した場合には自動的に経路を切り替えてお客さまの通信を確保します。
また、万全な保守体制で安心・安全を担保。「エンジニアリングセンター」を中部5県下に6拠点設置し、サービスオペレーションセンターから連携された情報をもとに、保守員が現場に駆け付けて迅速な復旧作業を行います。オプションサービスをはじめとしたさまざまなサービスとシームレスに接続でき、「EtherLINK ad」をプラットフォームとして、ニーズに合わせたさまざまなサービスをワンストップで利用可能です。
さらに、お客さまの拠点規模に合わせて、より柔軟にアクセス回線を選択していただけるよう多種多様なプランを用意。
例えば、本社などの重要拠点には月額80,000円~の「プレミアムアクセス」、中規模・小規模の拠点向けのネットワーク構築には月額40,000円~の「スタンダードアクセス」、情報系やコスト重視のネットワーク構築には月額10,000円~の「エントリーアクセス」など、規模や重視したいポイントに合わせたラインアップが揃っています。
プレミアムアクセスでは、稼働率・故障回復時間・網内遅延時間の3項目にSLA(サービス品質保証制度)を導入。お客さまとctcの間で設定したサービスの品質基準に準じ、万が一設定した品質基準を満たさなかった場合に、あらかじめ定めた料率に応じて料金を返還する制度です。
▼EtherLINK ad
バックアップ回線を増やすなら、ctcへ相談を。企業を脅かす業務影響を回線冗長化で最小限に

今や企業にとって、命綱ともいうべきインターネット回線。一方で自然災害や機器の故障、ヒューマンエラーに加え、トラフィックの増大によるサーバーダウンやキャリア網の障害、サイバー攻撃など、常に多種多様な危険にさらされています。
一度障害が起きれば、復旧までに数日もの時間を要することも考えられます。その間、社内業務が滞るのみならず、場合によっては自社の生産活動が止まる、取引先との情報共有が止まることによる損害、一般消費者への商品やサービスの提供停止など、費用や信頼の損失は計り知れません。トラブルが起こってから後悔する前に、ある程度のリスクを想定した上で備えておくことは、今や企業にとって欠かすことのできない責務ともいえます。
回線の冗長化については、今回ご紹介した例以外にもさまざまな導入方法があります。ctcでは、コストを抑えた冗長化のプランや、複数拠点にわたって保護する広域イーサネットのサービスをはじめ、お客さまのニーズに沿った無駄のない冗長化を提案、実現できます。
また、ICTに関するサービスをワンストップで担うctcならではの高品質・高信頼のサービスや、関連ソリューションと組み合わせることで、お客さまにとって最適なDX化や企業活動の発展を総合的にサポートすることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
御社が抱えるお悩みを個別にお伺いしながら解決策を提案するctcのサービス。オフィスでの新しい働き方を体験できる「ctc SmartOffice」にお越しいただくことで、おすすめのITツールの実操作も体験していただけます。御社の業務改善につながるヒントを見つけていただけると思いますので、ぜひ一度、体験にお申し込みください。
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▼ビジネスコミュファプロ / ライト