
2025年10月に法改正される育児・介護休業法。企業がするべき対応は?時差出勤やテレワークへの対応に新システム導入を
この記事のポイント
- 2025年10月1日、育児・介護休業法改正により柔軟な働き方への対策が必要に
- 企業には、子育てと仕事を両立しながら働き続けられる環境の整備が求められる
- 勤怠管理システムやオンラインストレージなどの導入で、業務効率化を実現
子育てや介護と仕事の両立支援を強化することによって働きやすい職場環境の整備をめざすことを目的に、2024年5月に改正された育児・介護休業法。この改正により、企業には従来以上に柔軟な働き方の実現が求められることになりました。
2025年4月1日より段階的に施行が始まり、10月1日からは本格的に、柔軟な働き方を実現するための措置が開始。3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者を対象として、テレワーク勤務や時差出勤といった働き続けるための制度の利用を促し、その環境を整備する必要があります。
法改正への確実な対応はもちろん従業員の柔軟な働き方に対応するため、従来の紙やExcelベースでは管理が困難に。複雑化しやすい勤怠や人事労務の管理を効率的に行うためのシステム導入や、テレワーク環境をはじめいつでもどこでも円滑に業務ができるようファイル管理・共有などを行うクラウドサービスの検討が必要となるでしょう。
本記事では、2025年10月施行の育児・介護休業法改正の詳細と企業に求められる対応について解説するとともに、柔軟な勤務体系に対応した勤怠管理システム「KING OF TIME」をはじめ、「Microsoft 365」やオンラインストレージによるテレワーク環境の構築方法についても紹介。
早期に準備に取り掛かり、柔軟な働き方の実現で確実な法改正対応をめざしましょう。
2025年4月より育児・介護休業法が段階的に施行。主な改正ポイントをおさらい

2025年4月と10月の2段階で施行され、各段階で企業に求められる対応も異なります。企業は制度設計から運用体制の整備まで、計画的な準備を進める必要があります。まずは、2025年4月1日からの施行によって企業に求められている対応をおさらいしていきます。
育児に関する新たな措置
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残業免除の対象拡大
残業免除の対象が大幅に拡大され、3歳未満の子を持つ従業員から小学校就学前の子を持つ従業員まで広がります。これにより、所定労働時間を超える労働の制限を請求できる従業員の範囲が増加します。
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子の看護等休暇の拡充
対象年齢が小学校就学前までの子から小学校3年生修了まで拡大。さらに、感染症による学級閉鎖や入園式、卒園式への参加なども取得理由として追加され、時間単位での取得も可能となります。
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テレワーク導入の努力義務
3歳未満の子を育てる労働者、そして要介護状態の対象家族を介護する労働者に対して、テレワークの選択肢を提供することが企業の努力義務として定められます。これにより、育児・介護の状況に応じて柔軟な働き方を選択できる環境整備が求められます。
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育児休業取得状況の公表義務拡大
従業員300人超の企業には、自社のウェブサイトや厚生労働省の専用サイトなどでの公表が義務化。また、男性の育児休業取得率も公表する必要があります。
介護に関する新たな支援制度
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介護離職防止のための措置
介護に直面した労働者への両立支援制度の情報提供や、介護に直面する前の早い段階(40歳等)での情報提供が求められます。さらに、研修の実施や相談窓口の設置といった雇用環境整備も必要となります。介護休暇については、勤続6か月未満の労働者の労使協定除外が廃止され、より多くの従業員が取得できるようになります。
2025年10月、育児・介護休業法が改正。企業がするべき対応と主な改正ポイントは?

2025年10月1日の施行では、柔軟な働き方を実現するための措置がスタート。3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者を対象に、企業は以下の5つの選択肢から2つ以上を実施する必要があります。
対応①:3歳以上小学校就学前の子を養育する労働者に対して、企業は以下の制度から2つ以上を選択
- 始業時刻などの変更(フレックスタイム制や時差出勤)
- テレワーク等(月10日以上、原則時間単位で利用可能)
- 保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配や費用補助を含む)
- 養育両立支援休暇の付与(年10日以上、原則時間単位で取得可能)
- 短時間勤務制度(原則として1日6時間の勤務)
対応②:上記措置に対する個別の周知・意向確認
- 制度の利用対象になる前に個別に周知
- 周知・意向聴取の方法は、面談・書面交付・FAX・電子メールなどのいずれかから選択
また、意向聴取と配慮も義務化。3歳になるまでの適切な時期(子どもが1歳11ヶ月~2歳11ヶ月になる翌日まで)に聴取を実施する必要があります。制度の利用対象となる前に個別で声掛けをするなど対応したうえで、従業員の意向や希望する働き方について確認し、配慮することで働き続けられる環境づくりにつなげることができます。
さらに妊娠・出産の申し出があった従業員に対しても、仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が義務付け。両立支援に関する社内制度の説明と、従業員側の意向確認を丁寧に行うことが求められます。
対応①:個別の意向聴取
- 本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たとき
- 子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間
[聴取内容]
・勤務時間帯(始業および終業の時刻)
・勤務地(就業の場所)
・両立支援制度等の利用期間
・仕事と育児の両立に資する就業の条件
(業務量、労働条件の見直し等)
対応②:意向についての配慮
- 勤務時間帯や勤務地、両立支援制度等の利用期間や労働条件の見直し、業務量の調整など
- 子に障害がある場合や、ひとり親家庭の場合には望ましい対応をすること
2025年10月の法改正で企業に求められる、柔軟な勤務体系の整備。勤怠管理システム導入で素早い対応を

10月施行の法改正への対応によって、企業には以下のような柔軟な勤務体系に対する環境整備が求められます。
- フレックスタイム制や時差出勤(始業時刻などの変更)
- 養育両立支援休暇の付与(年10日以上、原則時間単位で取得可能)
- 短時間勤務制度(原則として1日6時間の勤務)
これにより、個々の従業員の勤務パターン管理が複雑化。また、さまざまな休暇制度の運用や取得状況の正確な把握も必要となります。このような状況下で、紙やExcelによる管理を続ける場合、多くのリスクや課題が伴います。たとえば、複数の勤務パターンが混在する場合、手作業での正確な管理は極めて困難。集計ミスなどのリスクが高く、増加する履歴管理への対応も現実的ではありません。また、紙の申請書の受け渡しや承認作業に費やす時間は、双方にとって大きな負担になります。
勤怠管理システムの導入により、これらの課題を効率的に解決できます。システムによる自動化で、柔軟な勤務形態への対応や申請・承認作業の効率化が実現。正確な記録管理によってコンプライアンス面での安心も確保できるでしょう。
既存の勤怠管理システムをお使いの企業も、法改正への対応を見据えた見直しが必要です。とくに重要なのは、フレックスタイムや時差出勤、テレワークなど、新たに求められる働き方の管理への対応力。また、日々の運用における操作性や利便性、システムの保守サポート体制、将来的な制度改正への対応力など、長期的な視点で改めて評価する必要があります。
2025年10月施行の育児・介護休業法改正は、勤怠管理システム「KING OF TIME」で完全対応

2025年の育児・介護休業法改正に伴い、柔軟な勤務形態の管理や正確なデータ保管が不可欠に。これらの要件を満たし、かつ人事労務担当者にとって効率的な運用を実現する手段としてctcがご提案するのが、勤怠管理システム「KING OF TIME」です。
見出し
- 法改正に合わせた機能アップデートを随時実施
- 企業規模や業態を問わず、最適な環境をカスタマイズ可能
- 多様な働き方に対応する豊富な管理機能を標準搭載
- 直感的な操作性で導入後もスムーズな運用を実現
柔軟な働き方を支える充実の機能
万が一、突然の始業時間の変更があっても管理は簡単。複数の始業・終業時刻パターンを自由に設定でき、従業員ごとに異なる勤務時間帯も柔軟に管理できます。シフトパターンは自動で作成されるため管理工数を大幅に削減でき、勤務実績も自動集計されるため正確な労務管理を実現します。
また、短時間勤務制度への対応も万全です。育児・介護による時短勤務は従業員ごとに個別設定が可能。所定労働時間も自動で計算されるため、管理側での細かな計算や調整の必要はありません。複雑化する従業員の勤務状況を一元管理できるため、人事労務担当者の負担を大きく軽減します。
休暇管理もスマートに対応
時間単位の休暇取得にも柔軟に対応し、従業員の多様な休暇ニーズに応えます。有給休暇の申請から取得状況の管理まで、すべての処理をシステム上で完結。残日数・残時間数はリアルタイムで自動計算され、従業員自身でも確認できるためスムーズに休暇取得を促進できます。
- 法定休暇から特別休暇まで、企業独自の休暇制度にも対応
- 休暇の自動付与や繰越設定で管理業務を効率化
- 取得状況をグラフィカルに可視化し、取得促進をサポート
- 休暇履歴を正確に記録し、必要な集計も自動化
これらの機能により、2025年の育児・介護休業法改正で求められる複雑な休暇管理も確実に対応。KING OF TIMEなら、人事労務担当者の負担を軽減しながら従業員一人ひとりの働き方をしっかりとサポートできます。
初期費用0円&ワンプライスで全機能を導入
初期費用0円、1ユーザーあたり月額300円から利用できます。勤怠管理だけでなく、人事労務管理や給与計算、年末調整、データ分析機能まで標準搭載。企業にとって必要な人事労務管理のさまざまな機能を、低コストで包括的に提供することが可能です。
テレワーク環境の構築を実現する「Microsoft 365」とオンラインストレージ

育児・介護休業法の改正に伴い、企業には「テレワーク環境の構築」が求められています。ところが場所を問わない働き方を推進していく場合、社内で使用しているシステムやツールが分散しているとかえって業務効率の低下や管理の煩雑化といった課題が生じかねません。
こうした状況を解消する統合型クラウドサービスとして、Microsoft 365が有用です。業務にかかわる必要な大容量の社内データを、場所を問わず安全かつスムーズに共有することが可能になります。
ただし同時に、社外からのアクセス増加に伴う情報セキュリティリスクや、万が一の際のバックアップ対策も重要な課題となります。特に、従来型の社内サーバーでは、リモートアクセス環境の整備や運用管理に多大なコストがかかるだけでなく、VPNの構築・維持やセキュリティ対策の強化といった対応が必要になり、IT部門の負担も増大する傾向にあります。
これらの課題に対する有効な解決策として、オンラインストレージの導入がおすすめです。
「いつでも」「どこでも」「誰とでも」。スムーズな連携で新しい働き方を実現するMicrosoft 365
Microsoft 365は、「Excel」「Word」などの従来のOffice製品に加え、「Exchange Online」「SharePoint Online」「Microsoft Teams」など、多彩なツールを統合したクラウドサービス。常に最新版が利用可能で、アップグレードや買い替えの手間も不要。
- テレワークをはじめとした場所や時間を問わない柔軟な働き方を実現
- 社内外のコミュニケーション活性化による生産性アップ
- 情報やファイルの共有・連携によりチームでの作業効率が向上
- 常に最新のOffice環境を利用可能
充実の機能で実現する業務効率化
Microsoft TeamsによるWeb会議やチャット機能を通じて、場所を問わないコミュニケーションが実現。また、Exchange Onlineを利用すれば、会社のメールや予定表を外出先からでも手軽に確認・共有でき、業務の継続性を高めることができます。
チーム間のファイル共有や同期がスムーズに行えるSharePoint Onlineでは、複数メンバーでの共同編集によって業務効率を大幅にアップさせることが可能。1ライセンスでPC、タブレット、スマートフォンとデバイスを問わず合計15台まで利用できるため、場所を選ばない柔軟な働き方にも対応します。
セキュリティ対策も万全。オンラインストレージ「Box」「DirectCloud」
企業向けオンラインストレージサービスの「Box」「DirectCloud」は、単なるファイル保管場所ではなく、強固なセキュリティと使いやすさを兼ね備えたクラウドストレージサービス。大容量データの管理や共有を安全かつ効率的に実現し、場所を問わない柔軟な働き方を支援します。
- 社外からでも安全なファイルアクセスが可能
- 大容量のファイルもアップロード・共有が可能
- チーム間での情報共有や共同編集に活用でき、場所を問わない働き方に貢献
- クラウド環境でのバックアップにより、BCP対策としても有効
クラウドの容量を気にせず使いたいなら「Box」
「Box」は容量を気にせず使用したい場合におすすめです。無制限のストレージ容量を備えているため、気兼ねなく大容量ファイルの保存や共有を行うことができます。さらに、BoxはMicrosoft 365、Google Workspace、kintoneといった主要な業務アプリケーションとの連携も可能。これにより、普段お使いのツールからシームレスにBoxへアクセスし、作業効率を大幅に向上させることができます。
セキュリティ面においても、Boxは高い信頼性を誇ります。政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に登録されており、政府機関でも採用されるほどの高度なセキュリティ基準を確保しています。このため、社内外の取引先とのファイル共有も安心して行うことが可能です。
また、Boxはシンプルな操作性が特長。誰でも直感的に利用できるため、ITリテラシーに自信がない方でも、すぐに使いこなすことができます。
人数の増減があるなら定額制の「DirectCloud」
ユーザー数の増減が頻繁に発生する組織には、定額制のオンラインストレージ「DirectCloud」が最適です。DirectCloudは、ユーザー数無制限で定額利用が可能であるため、組織全体の導入がしやすく、コストを効果的に抑制。ファイル共有機能も充実しており、メール経由でのファイル共有時には、リンク送付か添付かの選択を柔軟に行えるため、状況に応じた最適な共有方法を選べます。
セキュリティ面では、上長承認やパスワード設定、PPAP(※)といった、社内ポリシーに合わせた柔軟なセキュリティ設定が可能です。(※PPAP:パスワード付きzipファイルとパスワードを別々に送る方式)
国内のデータセンターで運用されており、PマークやISMS認証も取得。安心して利用できる体制が整っています。さらに、サービス品質保証(SLA)とサイバーリスク保険によるバックアップ体制も完備しており、万が一の事態にも備えています。
2025年の育児・介護休業法改正に向けた多様な働き方の制度設計・テレワーク整備ならctcへ相談を

2025年の育児・介護休業法改正の施行では、企業に柔軟な働き方の実現と確実な労務管理が求められます。改正内容は多岐にわたり、とくに10月からの施行では、従来の管理手法では対応が困難な新たな制度への対応が必要となります。このような課題に対し、勤怠管理システムの導入は、企業の働き方改革を確実に推進する有効な解決策となるでしょう。
ctcでは、勤怠管理システムの導入が初めての方も安心してご利用いただけるよう、サポートスタッフが導入から運用までしっかりとサポートいたします。チャットやメールでのサポート、電話サポート(要予約)はもちろん、オンラインヘルプや動画による無料セルフサービスも充実。ご希望に応じたプレミアムサポート(有償)もご提案します。専任担当者による初期設定支援や導入支援など、お客さまに合わせたきめ細かなサポートを実施。専用電話による運用支援やオンラインでのスポット支援など、多彩なサポートプランをご用意しております。
また、法改正に応じたアップデートなどの支援はもちろん、随時システムトラブルにも迅速に対応いたします。他システムとの連携も視野に入れた、長期的なシステム活用もサポートします。
さらにテレワーク勤務をはじめとした従業員の柔軟な働き方を促すためには、Microsoft 365による業務効率化やコミュニケーション基盤の構築、オンラインストレージ活用によるデータ共有・管理も重要な要素となってきます。こうした最新ツールの導入が、育児や介護と仕事を両立しながら働き続けるという選択肢を実現させることに繋がるでしょう。
まずは貴社の課題やニーズについて、気軽にご相談ください。導入事例や具体的な活用方法など、専門スタッフが詳しくご説明いたします。